「いついつまでに○○の案を考えてきて」とか「○○の販売戦略を立てなさい」というような依頼や指示を受けることはないでしょうか。
しかし、何かアイデアを出そうとして闇雲に考えていても、時間ばかりが経過するだけでなかなか良いアイデアは出てこないものです。
時には突然良い考えが浮かぶこともありますが、毎回うまくいくとは限りません。
こんなときは、先人達が残してくれた【フレームワーク】を活用するべきです。
フレームワークを使うと、アイデアを出しやすくなるだけでなく、アイデア自体の質も高いものになります。
今回は、アイデアを出すときに使えるフレームワークをいくつか紹介するとともに、実戦で使う場合の工夫についてご紹介したいと思います。
ここで紹介するフレームワークは既に知っているという方は、「フレームワークの実戦的活用法」から読んでみてください。
フレームワークとは
フレームワークとは、何かを考えるときの枠組みのことです。「ロジックツリー」や「SWOT分析」などは特に有名なので、ビジネスパーソンなら一度は聞いたことがあるかもしれません。
これらのフレームワークを使うだけで、先人達の残してくれたノウハウや教訓を簡単に利用することができます。
つまり、短い時間で質の高いアウトプットが得られるというわけです。フレームワークは知的生産性向上のためのツールです。
世の中には、このようなフレームワークがたくさんありますが、今回は「アイデアを生み出す」という点にしぼって、簡単に使えるフレームワークを選んでご紹介したいと思います。
アイデアが湧き出すフレームワーク6選
6W2H
「5W1H」という言葉は聞いたことがあると思います。
これは人に物事を正確に伝えるために必要な要素、Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字です。
ここで紹介する「6W2H」というのは、5W1Hに「Whome(誰に)」と「How much(いくらで)」を追加したものです。
このフレームワークは、「どんなものを作りたいか」などのアイデアがすでにある状態でスタートする必要があるので、ゼロから何かを生み出す用途にはあまり向いていません。
しかし、すでにおぼろげなイメージが頭にある状態であれば、それをより具体化する手段として有益なツールです。
オズボーンのチェックリスト
「オズボーンのチェックリスト」は、アレックス・F・オズボーン(Alex Faickney Osborn)によって考案された発想法です。
既存のモノから新しいアイデアを生み出すときに、このチェックリストの項目に従って考えていくだけで色々なアイデアが出てきます。
ちなみにアレックス・F・オズボーンは「ブレーンストーミング」を考案した人として最も有名です。
ほとんどのアイデアは使えないものになるかもしれませんが、素晴らしいアイデアにたどり着けることもあります。
何か新しいことを考えなければならないときは、まず試してみるのがおすすめです。
SCAMPER法
オズボーンのチェックリストと似ているフレームワークとしてSCAMPER法というものもあります。
オズボーンのチェックリストにはない項目として、「修正」「削減」があります。
SCAMPERというのはそれぞれの項目の頭文字になっているので、SCAMPERという名前を覚えておくだけで、それぞれの項目を思い出しやすいです。
ECRS
ECRSは本来業務プロセスを見直す際のチェックポイントとして考案されたものですが、オズボーンのチェックリストやSCAMPER法の簡易版として使えると思います。
特に会議中などに急にコメントを求められたときなどは、この観点で考えてみると一目置かれる発言ができます。
ECRSも各項目の頭文字から取っていますので、思い出しやすいですね。
KPT法
会社員の方は、ほとんどが半期ごとに期末には仕事の内容を評価され、期初にはこれから活動する仕事の計画を立てると思います。
そんなとき、これまでの結果を受けて、次の仕事の計画を立てるときに役立つのがKPT法です。
期初の計画を立てるときは、基本的にこのフレームワークで実施内容を考えていけば、やるべきことが明確になって書きやすいです。
さらに、上司に説明する際も受け入れてもらいやすいと思います。
ペイオフマトリックス
ペイオフマトリックスは出てきたアイデアを4象限のマトリックスに配置して、そのアイデアの特徴や優先順位を決定するときに使えるものです。
4象限を作るためには、まず独立した2つの軸を考える必要があります。
ありがちな軸は「実現の難易度」と「コスト」や、「効果」と「コスト」、「難易度」と「効果」などではないでしょうか。
例えば「効果」と「コスト」の2軸で4象限を作ると下の図になりますが、このような分類の仕方がフレームワークです。
このようなマトリックスにまとめると、効果が高くてコストの低いCの案から試してみようというように優先順位をつけることができます。
また、他の人に考えたアイデアを説明する際にも、このような図があるととても理解しやすくなります。
テキストエディタなどで使うときは、以下のような表形式で整理すると上記の4象限にマッピングしやすくなります。
フレームワークの実戦的活用法
上で紹介したフレームワークも、実際に仕事の現場ですぐに使えなければ意味がありません。
ただ、これが確実に頭に入っていて、いつでも思い出して使えるという人はかなり少ないと思います。
「そういえばオズボーンのチェックリストというのがあったな」と思い出すことはできても、「どんな項目だっけ?」と考えてフレームワーク自体を調べたりしているうちに、肝心の【アイデアを出す】という目的から脳のフォーカスが外れてしまうことになります。
そこで、全くの努力なしに仕事の現場でこれらのフレームワークを活用する方法をご紹介します。
フレームワーク活用の準備
まずは準備として、定型文を登録して挿入する機能があるエディタ、メモソフト、または定型文を貼り付けることができるフリーソフトなどを用意します。
私の場合は、VaNTというメモソフトを使っているので、あらかじめ定型文として登録したテキストを、ファンクションキー単体またはShift+ファンクションキーで呼び出すことができます。
このようなソフトが用意できたら、定型文に上で紹介したフレームワークを登録していきます。
定型文の内容は、上で紹介している【☆フレームワーク】のボックスの中身をコピペすればOKです。
以下はVaNTで定型文を登録した例です。
フレームワーク活用方法
何かアイデアを考えるときに、上記の準備で用意した定型文が呼び出せるエディタやメモソフトを起動し、考えたいテーマを書き込みます。
例えばこんな感じです。
そして、定型文として登録したフレームワークのうち使いたいものを呼び出して挿入します。
例えばオズボーンのチェックリストを使う場合は、ボタン一つで下のような状態になります。
あとは、これらの項目に従って思いついたことを箇条書きにしていくだけです。
これなら、Webで検索したり本を開いたりする必要がないので、思いついた時に即座にフレームワークを活用することができます。
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